仕事の備忘録

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Power BI Embedded を2017年11月版で計算しなおす

このブログに2016年に書いた以下の記事がある

testedquality-tech.hatenadiary.jp

 

この記事を書いた当時、仕事でPower BI Embedded を利用した提案書を作成した。この提案書は2016年度では却下されたと聞いていた。その際調べたことをブログにまとめえて掲載したのが上記である。

それから約1年。本日急に連絡がきて、1年前の自分の提案書が目の前に送られてきた。これを再提案したいという話だった。事業的なことは別にして、そのままの金額はいま利用できないことを説明した。が、話しているうちブログにこのことを掲載するのを忘れていたことも思い出した。今回は、2017年11月現在のPower BI Embedded についてを書く。

以下がPower BI Embedded 日本語公式ページである。

powerbi.microsoft.com

2017年5月にPower BI は大きく製品体系が変わりPower BI Premium という企業向けのサービスが追加された。実はその際にPower BI Embedded についてもサービス形態が変わることがホワイトペーパーに記載されていた。今回昨年の案件、もし今ならどれくらいになるのか確認のため再度見積もりをしてみる。

azure.microsoft.com

新しいPower BI Embedded は Power BI Premium というか Azure のインスタンスタイプを計算するような感じになった。利用者の数と、ピーク時の表示ページ数を計算し、選択したノード タイプと、デプロイするノード数で金額を計算する。つまり通常のWebサイトでの負荷計算と同じようなことになる。

以前は100セッション/510円 であったため、利用者数にあわせた課金だった。つまり利用者が増えたら払うし、いなければ払わず済む形式であったが、今回は前払いで最大能力を押さえておく形に変わったことになる。

100人アクセスで1時間使ったら100セッション。1日510円。30日使ったら15300円。
もし1000人なら30日15万3000円。1年間200万弱

と書いた前回の記事を再見積もりする。

新しい価格表だと、まずユーザーに提供する画面数が必要になる。ノード数に影響するのが「ピーク レンダー/時」であるためだ。ページレンダーについてはホワイトペーパーに記載がある。How to plan capacity for Power BI Embedded (Power BI Embedded の容量を計画する方法)」のホワイト ペーパーの4ページを確認してほしい。以下直訳

ページレンダリングとは
ページレンダリングは、Power BI ビジュアルがページに読み込まれるたびにカウントされます。ページの更新はページのレンダリングとしてカウントされ、他のページの対話機能 (スライスやサイコロ、フィルター処理など) と同じように表示されます。通常、バックエンド コア1つで実行されている複数のクエリは、ページのレンダリングに変換します。
コアに対して生成される負荷は、ページに含まれるビジュアル要素の数によって異なります。一般的なページには、最大10個のビジュアル要素が含まれます。

再表示で取得するすべてのレンダリングが1ページと定義されているようだ。ここでPower BI のタブ切り替えはどうなるのか不明であるが、これはReloadedなしで切り替えできるので多分1レンダーになるはずだが・・・(ここは別途MSに確認する)

利用者負荷を計算するためには利用者がどれくらいページを表示させるか、それがどれくらいの時間に集中するか、この2点が重要である。利用者が平均的にアクセスしてくれることはまずないので、ピーク時にあわせた能力を確保することを検討する。

で、過去の自分が書いた

100人アクセスで1時間使ったら100セッション

毎日朝の1時間にアクセスがあると仮定しよう。この時表示するPower BI のレポートに前日の「地区別売り上げ」「営業所売り上げ」「顧客アンケート」の3種類あるとする。出社時間直前にデータがUPされるとして、出社後皆が確認する。そうなると毎日最低でも3ページのレンダリングを100人が使う、300ページ/時間となる。

前述の価格表から確認すると、A1の上限になる。

f:id:testedquality:20171106214409j:plain

実際には画面を閉じてRelodedすることもあるし、人員が増えていく想定もあるだろう。考えると倍の想定は最低でも欲しい。ただA2までは共有ノードである。他の利用者も負荷がかかる場合、必然的に影響を受けやすい。事業として不確定要素をなくすなら最低でもA3ノード以上を選択することになるだろう。ちなみに価格表は表記を月単位に変更できるので変更してみる。

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A2で月152,390円、A3で305,388円である。ここにWebサイトの構築運用費用が掛かってくる。逆にある程度のピークで価格が固定されるので、前より安くなるパターンもありそうだ。これは意外。

さて、前回と同様の形式だとそのまま見積れたが、Power BI Premium にはEmbeddedを組織内で利用可能と発表もされている。この場合、Power BIがない組織内のユーザーがレポート確認可能となる想定だが、詳細を記載しているあたりをまだ読み込んでいない。この部分もあわせて調査を行って早急に報告したいと思う。

最後に。価格表でリージョン選択の中に西日本があることが確認できた。思ったよりPower BI Embedded が使われているのだなと嬉しかった。