仕事の備忘録

IT系技術とか、カスタマーサービスとか

技術的負債の返却は「変わりたい」意思がすべてだと思う

今月末で長年携わったシステムがサービス停止する。10年以上社内システムの一角として動いていたが3月末でサービス終了となった。思い出話と技術的負債を返却した話として書いておく。

かかわってきたシステムは最近でいう「技術的負債」という言葉が流行る前から、何度も繰り返し負債返却を行って来た。日本の企業では珍しいのかもしれないが、会社が返却を肯定的な風土であるのだ。

しかし業務継続性と両立させるためコアを変えずに返却するという作業の連続だった。おかげでサービス停止まで10年前の利用データがコンバートして最新環境で自動で動くようになる仕組みが動いてたくらいだ。業務継続性を担保することで、代わりに積もってきたコアシステムへのメンテナンス工数が重荷となったため、全面刷新を検討することとなった。当然今までの業務同様受注ため提案を上層部が行っていたことは知っている。が、最終的に全面刷新ではなく、すでに実績があった他社システムの改修で対応することとなった。負けた点はいくつかあるのだとは理解している。

正直弊社的には痛手だった。数十人いる部署の主力となる売り上げが数年後0になるのだ。であるはずだが、その話を上司から聞いたとき私はつい

「私たちラッキーじゃないの。」と返事した。

なぜなら、当時を振りかえれば技術的負債に追われ、開発工程の改善にも限度があったからだ。それによる運用コストがメンバー全体の疲弊を誘っていた。非常に優秀で業務改善へ積極的なメンバーたちだったが、テストファーストやJenkins利用もコア部分への適用は難しく新規追加する機能に限定しての対応となっており、一番コアとなる部分はどうしても職人技的な部分が残ってしまっていた。

それが停止するサービスとなったことで、追加投資が0になった。必然的に新規開発で売り上げを立てる必要がでた。上層部は大変だったはずだが、幸い取れた仕事に対してメンバーは全く異なる新しい開発言語、手法をもって開発できることを実証した。

決定から数年。ついに停止する前日になった。このシステム開発は最初社内からスピンオフしたベンチャー合弁会社内で担当していた。私は産休明けから配属されたものの、システム開発が忙しくてたびたび子供を連れて休日出社していた(会社がベンチャーっぽく緩かったこともある)。ワークライフバランスとか一切ない、24時間体制での業務なので、止まればすぐ電話呼び出し。属人化していたシステム。設計書もほぼなかった。当時から一緒に仕事をしていた方に、

「あの当時連れてきてた子供、もう中学生になったよ。早いもんだねえ。」

と告げたら、絶句した後

「それは、僕も年を取るはずです・・・」

とため息つかれた。

ねえ、と思いつつ私の手は全く別のシステムリリースを行っていた。すでに別業務が主担当である。この数年徹底的な属人化解消と情報共有、そしてモダンな開発手法での新規システム構築など様々な部署内での試みが有機的に働いて非常に効率的となり、いつの間にか今年の新人は「所属してから残業したことないんですけど」とこの日告白を受けるまでになっていた(本人が優秀なせいもあると思う。結構仕事振っていたので)

とりあえず部署の皆が「変わりたい」という思いがすべてを変えたのだと思う。だから寂しいがすがすがしい。そしてそれを当たり前と若者が思うこと。それでいいのだ。皆新しいところでも十分やっていける。それは証明されているんだから。

Developers Summit 2018 に参加した

今週久しぶりに技術カンファレンス Developers Summit 2018 に参加してきた。書くまでがカンファレンスなので忘備録として書く。

event.shoeisha.jp

もともと2日目しか参加できない日程だったが、いままで無料でさんざん参加させてもらっているので昨年から「個人スポンサー」で参加している。さらに本日は午後からの参加であったが、レポートを書く。

1 to 100:子どものためのオープンソースコミュニティ「CoderDojo」が全国100ヶ所を超えるまで

http://event.shoeisha.jp/devsumi/20180215/session/1663/

全国115ヶ所以上に点在する子どものためのプログラミング道場「CoderDojo Japan」の代表 安川 要平 さんによるセッション。

coderdojo.jp

コミュニティとして急速に広がっているのをここ数年のMaker's Fair にて見ていたので、その在り方について聞きたかった。実際に今までの成り立ち、および運営方法の解説が半分以上占めたが、これがよかった。一つの成功例が今後の組織の在り方に十分役立つ内容だった。

Kubernetesを用いた最強のマイクロサービス環境をGKEで実現しよう

http://event.shoeisha.jp/devsumi/20180215/session/1688/

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 福田 繁さんによるセッション。単純にコンテナ技術である「Kubernetes」の読み方すらわからずきちんと概要を知りたかった。全く業務では使ってないがデファクトスタンダードになってきていると聞いていたので。内容まとめはすでに書かれていた講演メモが素晴らしいのでこちらで確認してほしい。唯一残念だったのは紙でアンケートが配られたこと。書くもの持ってない人多いので今度からぜひアンケート作ってURL配布してください。ちなみに読み方は「クーバネティス」です。

 

デブサミ2018「Kubernetesを用いた最強のマイクロサービス環境をGKEで実現しよう」講演メモ #devsumi - 元RX-7乗りの適当な日々

資料なくてもこのまとめでわかるってすごい。理解できる力・・・頑張ろう。

2018/02/16 21:27

 クリエイター仲間3人で商用レベルのVRゲームを個人開発した話(仮) 

http://event.shoeisha.jp/devsumi/20180215/session/1689/

今日一番見たかったセッション。現在自分が一番興味を持っているVR開発において、VRソフトに珍しい「女子がかわいいと思う」ソフトが非常に評判なのを知っていた。それが「ハッピーおじゃれタイム」どんなソフトかは動画みてもらったほうがソフトの内容がわかりやすい。誰でもかわいいアイドルになれるのだ。

www.youtube.com

hashilus.com

開発者の chiepomme(ちえぽむ)さんがどのように開発をしたのかを知りたかった。一番前で写真撮るぞとおもってましたが撮影禁止でしたのでたくさんツイートすることに。以下自分のツイートを並べる。

同人的なつくりから始まったのは今回初めて知った。趣味で始めた開発を4か月で商用に乗せたのは驚嘆なのだが、そのあと chiepommeさんの行ったことが非常に理にかなっていて納得できた。きちんとターゲットが明確で、有効なことを認識して、勝ち目があると判断した上で「自分が楽しいから」開発していた。そして開発もリーンスタートアップを適用して最少開発項目に絞り込んでいた。正直、プロジェクトの進め方として有用なセッションだった。

 その他運営、ブースなど

 2日目の会場入れ替えは非常にスムースだった。個人スポンサーと並びを分けていたので楽だったのもあるが、休憩所をどちらにも準備していて廊下が人であふれてなかったのがいい点だったと思う。また個人スポンサー会場には飲み物にお茶が増えているだけではなく、今年は御菓子とサンドウィッチまで常備されていてびっくりした。1万でここまでするの!?最近でかけた有料セミナーでもここまでやってない。また席も椅子がひじ掛けあるタイプになって楽だった。

あと書籍!毎年これだけは忘れず購入している。翔泳社さんは主催者でもあるし個人スポンサーは30%割引あって大変優遇されているのだ。また、オライリーさんは購入金額でグッズをつけてくれるのだがこれが豪華。今回本を1万近くかったがこれだけグッズがついたら儲けないのでは?くらいの勢いだった。

さあ買ったし頑張ってUnityやるべ。仕事は仕事でPythonなんで頑張ります。

meltdownのパッチでAWSのPostgreSQLがやられた

今年は仕事はじめから今日までずっと「meltdown」と呼ばれるCPUの脆弱性対応で休みがほぼない状況だった。忘れないうちに記録する。会社に怒られたら消すけど数値は出さずとりあえず書く。

www.publickey1.jp

この脆弱性によって担当していたシステムがハッキングされたわけではない。この脆弱性が緊急度が高く、Azure、AWSなど一部クラウド環境には事前にパッチが適用されたのだが、そのパッチが担当システムにて影響がでてサーバ自体がダメになってしまったのだ。やっと今日すべて事業が通常に戻ったので久方ぶりにビール飲みつつこれを書いている。

原因と結果を端的に書くとこれだけ。ただ仕事とセキュリティと事業継続性などから色々な勉強にもなった。

まずクラウドを使う場合、クラウド環境自体は常にベンダーによって脆弱性は解消され最新に保たれるため、オンプレではありがちなパッチ適用を見送るという方法はできない。今回のパッチも、年末のうちにアナウンスが出ていたので事前に受け入れ準備して対応していた。(メンテナンス時間の通告があってそれまでに自分で再起動的なことをしないと通告時間に強制再起動となる。)

クラウドを使っている限り最新が適用されることは前提なのだが、私の担当システムは2013年から稼働しており、AWSでも古いタイプのPVを利用していた。他にHVMというものがあるが違いはこちらがわかりやすかった。

kanny.hateblo.jp

そして今回1月3日に適用されたAWSのパッチは、PVの場合のみ大幅なCPUの稼働ダウンを引き起こした。

実はシステムは今年終了が決定しているため延長サポートモードで1年近くPG変更をしてない。変更点はパッチのみである。この場合変更点は明らかである。あからさまにAWSのパッチしか変更がなかった。

しかし、当初全く何が起きているのか理解できなかった。利用開始の朝、システムが問題ない稼働状況で、特定のDBサーバのみCPU100%とシステムダウンを繰り返した。これを利用者による問題として調査を開始したが問題が出てこない。担当者間で悩んでいるうち夕方となった。そしてシステム利用率がさらに上がるとき、同一機能の全サーバが一斉にCPU100%からのダウンを記録した。これでAWSの問題の可能性に初めて気づきググって問題に気づいた。

qiita.com

今回の問題点はAWSのパッチの不具合とパッチ自体の内容が利用してたDBであるPostgreSQLと相性最悪だったことが大きい。他にもパッチが適用されたサーバ群があったが、DBまでの機能低下はなかったのだ。実測値でその日自社DBは負荷テストや実績の25%程度しか稼働できなかった。システム利用率が年初で高いこともあり、事業影響は大きかった。

対応として最初スケールアップは最大まで引き上げた。が、CPUが100%になると反応しなくなるという状況で必要な性能に到達しない。通常はCPU100%でも処理は継続できたのに(実績ではL/AがCPU1つにつき2.5くらいまでOKだった)。これより対応策をシステムオーナーと打ち合わせ、AWS以外でサーバを準備し切り替える策をとった。ハイブリッドクラウドと呼んでいいと思う。サーバ作成とかネットワーク設定とかテストに追われた。

準備中の1月13日にAWSは再度パッチ提供を行いブログが更新された。 

プロセッサの投機的実行に関する公開調査について | Amazon Web Services ブログ

1/13にさらにアップデートされたパッチがリリースされた模様

2018/01/11 20:15

ずっとブログで報告してくださっていた方の検証結果も確認し、ツイッターでも解消の報告が多数みられることをメンバーに共有した。しかし公式で再度パッチを適用すると記載があり、再発が0ではない状況でAWSのままにする選択はなかった。

「AWS、またパッチ当てたってよ」と聞いたので3度目のAurora(MySQL互換)R4テスト(mysqlslap) - Qiita

結果を公表してくれてありがたいです。今から自分のシステム確認します。

2018/01/13 20:14

AWS発表では「性能低下はなかった」という文書がでており、上記ブログの追記で「それはどうなの?」とメンバーでも話題となった。が、私以外のメンバーは優秀なので 皆業務遂行し、検証リリースを実施。効果測定も終わり今日やっと元の性能が出る状態になった。

正直PVインタンスを利用して問題が発生した方々は大変だったはずだ。チューニングしたシステムが勝手に悪くなるのだから。しかしそれも考慮して対応できるようにするのがクラウドを使うためのルールなのだと強く感じた。

そして昔自分も実装担当したサーバ切り替え機能が、今回大いに役立ち「よく考えられてるシステムだなあ」と終わりが近いシステムの大騒ぎでちょっとだけ自分たちを褒めた瞬間もあったことを書いておく。

Windows Mixed Reality 買ってみた

Windows Mixed Reality Headsetを購入した。まだよくわからないので、自分のためのまとめを書く。

自分はTech Summit 2017 に参加した際に体験してたHoloLensを買いたかったが、まだ予算が足りないのでこちらを購入を検討しはじめた。

testedquality-tech.hatenadiary.jp

そのため最初に違いを先に確認。HoloLensとWindows Mixed Reality の違いについては、まずは日本MSのエバンジェリスト高橋忍さんの解説がわかりやすかった。

https://blogs.msdn.microsoft.com/shintak/2017/11/21/mris/

確かにHoloLensは単体で現実空間と交わり続けることができる。一日つけっぱなしで子育て中も家事もできるし、そのまま寝てしまうくらいに自然に利用できるのは開発者の方々のツイートをみて素晴らしいとおもった。以下戸倉彩さんのイラスト。特に自分は戸倉さんのHoloLens関連ツイートをみて、生活に溶け込めるPCとしてのすごさを実感した(イラストもかわいいのだ)

一方Windows Mixed Realityは視覚はすべて仮想環境のものだけど、一定空間であれば空間とVRがつながる。実際に使うと目線だけではなく、歩いた方向と空間のマッピングがキチンとおこなわれるのを実感できた。自宅でつながって体ごと回すと、風景見渡せる。HoloLensでできるハンドジェスチャー機能などは、WinMRではコントローラーになるなど違いがある。

Windows Mixed Realityの対抗製品は、HTC Vive・Oculus RIFT・PlayStation VR な模様。カカクコムのVR製品ランキングで確認。(そのあたりの知識が自分に足りないこともわかった)ググっているうち価格の手軽さや設置の簡便さ、およびアプリがXbox、SteamVR、個人開発可能などからすでに対応ソフトが一定数あること、普通のWindows的な使い方が一通りできることを考慮すると、Windows Mixed Reality は後発であるが十分戦えるはずという認識をした。実際に対応PCであればケーブルつないで15分くらいで使えるようになったのは敷居低い。

kakaku.com

一方HoloLensの対抗商品はあるのか?いろいろ新製品のサイトやニュースを確認したが、実は生粋のハードウェアメーカーでもあるマイクロソフトにまだ他社がおいつけないという認識。類似品はコンセプトであるけど十分業務利用されているHoloLensのすごさを改めて理解した。

現在ソフトウェアをいろいろ試している。まずはHeadset購入先着特典でDMM動画のポイントをいただいたので動画ビューワーをダウンロードしてみた。

www.dmm.com

【VR】「ウルトラマンゼロVR」「ウルトラファイトVR」2本立て特別パック

を視聴。エレキングのドアップが非常に楽しい。長年の「近くでウルトラマン戦いだしたら人間はどうするべきか」を体験できる。まだ操作の流儀などが身についてないのでなるべく自宅で利用して、自分がやりたいことの実現方法を準備していきたいと考えている。

世界一安全なWindows 10 Mobile

この記事は、Windows 10 Mobile Advent Calendar 2017 の 13日目の記事です。

adventar.org

Windows 10 Mobile のアドベントカレンダー昨日に続いて投稿ですが、今回はただのWindows 10 mobileへのラブレターです。

私は会社で「Windows好き」という分類をされております。Windows 3.1 入りのPC、IBMのAptivaを最初のボーナスほぼ全額で買った時から20と数年。Visual Basic、IIS、ASP.NET、SQL Server、Surface RT、Windows Mixed Reality とよく考えたら仕事もプライベートも結構Microsoftだらけでした。その中でプライベートで一番長い付き合いなのが Windows 10 mobile です。性格にはWindows Phone 7.5 からですが、常にメインはWindows 10 Mobile で使ってきました。(あと田舎の子供と連絡とるため3Gが必要だった故のガラケー2台使い)

長年使って色々不満がないわけではないです。が、好きなところも大声でいっておきたい。一番気に入っているのは常に安全に使えたということです。この長い期間、それはぶれなかった。これは本当にMicrosoftを褒めておきたい!

メイン1台しかありませんから、セキュリティでやられたりしてもらっては困りますが、この数年全くありませんでした。またサポート期間も常に明示されてきましたし、セキュリティパッチもこまめに提供されてきました。Insider Preview入れなければ安定していましたし。タイトルの「世界一安全」は私が勝手に言っているわけではなく、昨年でしたかの調査結果だったはず。会社でついWindows 10 Mobile を自慢したニュースでした。

実はこの10年仕事で各OSの最新バージョンを収集、全社に通知するという仕事をやってました。そのため日々OSブラウザの情報収集してきましたが、Andriod を搭載したスマートフォンに機種別でセキュリティパッチ来るのかやきもきしたり、 Appleが明記しないでこっそりSafari Windows版がサポート終了していてユーザーに連絡したり、結構なんだよそれ的なことは多数。しかし、Windows 10 mobile にはことセキュリティで悩むことはありませんでした。

いつまでもWindows 10 mobile が国内に来なくて寂しかった時もありましたが、が、出したら企業としてきちんとしていたと、私は評価しております。ありがとうございます。

まあUXのすばらしさで残念ながらiOSには負けていたし、安さとすべてをつないだ点でAndroidの広がりにはかなわなかったのだなとは思います。(デスクトップのわかりやすさは一番良かった)

でもどんなOSであっても、サービス提供していくことによって細胞のようにいろんな場所で大きな存在となっている今のMicrosoftにはしたたかさがあるから、これからも楽しみにしております。これが最後のMicrosoftが作ったOSのスマートフォンになるのかはわかりませんが、できればもう少し楽しませてくれると嬉しいです。WinMR Headsetと結合してくれてもいいのですよ。

Windows 10 Mobile のGrooveで購入したデータをすべてダウンロードしたい

この記事は、Windows 10 Mobile Advent Calendar 2017 の 12日目の記事です。

adventar.org

初めてWindows 10 Mobile のアドベントカレンダーに参加します。今回は2017/12/31にて有料配信から撤退する音楽ソフトGrooveのデータ移行について書きます。

あくまでも撤退するのは配信ダウンロード&ストリーミング事業のみです。 Windows 10 Mobile だけではなく通常のWindows 10 でもGrooveはずっと再生プレイヤーとしては利用可能です。でもWindows 10 Mobileを使いつづけて数年、沢山曲を購入してきただけに無念なり。日本以外ではストリーミング形式のGroove Music Pass という事業もあったのですが結局日本には来ないままでした。これについても来るのを楽しみにしてただけにほんとに残念。

で、今まで配信で購入した曲は聞けなくなるの?と思っていたのですが、Grooveでは撤退に当たって10月移行手順を公開しました。Microsoftストアの「ミュージック」メニューを開くと最上部に「音楽を購入したみなさんに重要なニュースです」というタイトルが出ています。

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これをクリックすると以下のサイトが表示されるのですが、こちらがわかりづらい。それは日本展開がなかった音楽ストリーミングサービス Groove Music Pass についての説明文をそのまま日本語化しているから。

https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4046109/groove-music-and-spotify-faq

とりあえず日本で提供されていた音楽購入についての内容だけを読む必要があります。で、提供された移行手段は2つ

  1. 購入した音楽をGrooveに追加されたメニューでダウンロードする。
  2. 買った曲をSpotifyに移行する。

なんとストリーミング&配信大手Spotifyと業務提携!無料で移行できるなんて!と思ったのですがこれはどうやらメニューで利用できるだけな模様。それより大事なのは移行期限。

2017年12月31日まででサービス終了=ダウンロード期限は今年中!

かつ

移行作業はPCのみ可能

Windows 10 Mobile からはできません

と書かれております。今年中に曲をすべてダウンロードしないと。ちょっと不満ですが書かれていた移行方法をPCで試してみました。移行手段のメニューはGrooveの「設定」にあります。

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 1.購入した音楽をダウンロードする

「設定」-「購入した音楽をダウンロードする」をクリック。すると自動的にダウンロードが始まります。終わると下記のダイアログを表示。さらに「ダウンロードした内容を一覧で表示」リンクをクリックすると曲一覧が表示されます。

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結果はテキスト。正直細かすぎるシステム的な内容。そこよりユーザーが欲しいのは曲の一覧なのではないか。

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そしてこのメニュー問題点があります。私が買った曲はこの2つだけではない。どうしてかこの2曲以外は出てきませんでした・・・。

どうやらWindows 10 Mobile でのみ購入していた曲は、Grooveの「音楽を探す場所」として指定されたフォルダになくてもPCへのダウンロード対象にならない模様です。まだWindows 10 Mobile には存在しています。ダウンロードしてきたのはどちらにもない曲のみでした。(愛機MADOSMAでGroove確認したら野宮さんいました)

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うーん困った。とりあえずもう一つの手段も試します。

2.Spotifyに移行する

実は日本進出してからほぼ毎日使っている音楽配信ソフトの大手Spotify。配信大手で唯一 Windows 10 Mobile に対応してくれてます。UIがそのOSごとにチューニングされていてどこで使っても楽しい、便利。Windows 10 Mobile とWindows 10 両方で同期して利用しています。ここで使えるのうれしい。と思ったのですが・・・移行されるのはGrooveで「マイミュージック」に表示されている曲のみ。すでにこの時点でダウンロードできてない曲は移行も出来ませんが続けてみました。

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移行する場合には途中でアカウントを求められますので、先にSpotifyにてアカウントを作成すること。Grooveの「設定」-「コレクションをSpotifyに移行する」を選択すると説明のダイアログが表示されます。

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ここで「音楽を移動」をクリックすると移行されます。途中ログインをして移行が完了するとSpotifyのメニュー「ローカルファイル」に曲が表示されます。ここに表示されたら通常のSpotifyの各メニューが利用可能。写真もきちんと表示できました。

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これらの曲はPCのフォルダ上に存在してます。「...」をクリックするとメニューが表示されますので「含まれるフォルダを開く」でダウンロード先のフォルダが開きます。 f:id:testedquality:20171209010222j:plain

Windows 10 Mobile へは同期してくれるんだろうっておもって、MADOSMAでSpotifyを確認したらモバイル版には「ローカルファイル」というメニューがありませーん・・・・

つまりせっかくSpotifyにダウンロードできたファイル、Windows 10 Mobile への移行は手動コピーってことです・・・

Passだったら違うんでしょうねえ orz 

3.移行手順で出てこなかった曲をダウンロードするには?

しかし結構Grooveで曲を買ってきましたが、ストレージ容量確保のために削除していた曲もあります。すべてダウンロードしておきたいです。

どうせWindows 10 Mobile のSpotifyにはメニューがないんですから、もうPCに曲を直接ダウンロードするほうが楽です。ということで購入履歴を確認します。Grooveのメニュー「設定」-「購入履歴」をクリックします。するとブラウザが起動して注文履歴が表示されます。

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途中でMicrosoftアカウントでログインが必要です。ここで表示されるのはMicrosoftアカウントで購入したすべてが表示されます。よってOfficeなどのサブスクリプションから探し出す必要があります。

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一覧からWindows 10 Mobile にのみ存在する野宮真貴さんを発見。今年購入してます。

が・・・昔の一覧と機能が変わってしまい、履歴にあった購入ボタンが無くなってます。ここからダウンロードできると楽だったのですが、出来ないので一覧を開いたまま一つづつ手動で実施します。(すべての連動のなさに疲れてきている)

ダウンロードするためには再びMicrosoftストアを起動します。起動後メニューより「ミュージック」を選択。再度先ほどのメインメニュー。

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ここで上部にある検索バーに「野宮」と入力して検索してみます。すると候補のミュージックの中に発見しました。きちんと「取得済み」になってます。

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クリックすると「アルバムをダウンロード」のボタンが出てきますので、こちらをクリックするとローカルにダウンロードできます。

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ダウンロードが完了すると「アルバムをダウンロード」のボタンが無くなり、曲の前にあったストリーミングマークも無くなります。これで無事PCに取得できました。

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メッセージでもダウンロード済みなのが確認できます。上がダウンロード前です。

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Groove ミュージック アプリを再起動すると、ダウンロードした曲たちが自動的に追加されました。

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これで一安心です。

4.結論

ということで色々試した結果、結論は

Windows 10 Mobile のGroove ミュージックで購入したデータはひとつづつ目視でダウンロードするのが確実

という結論になりました。えー、移行メニューさんもう少し高機能だと期待してたんですが・・・でも他の方だったら一括でダウンロードできるのかもしれません。

Windows 10 Mobile 利用者の方には基本的な情報となりましたが、これで報告は以上となります。ご清聴ありがとうございました。皆様今から年末までのダウンロード頑張りましょう。

Tech Summit 2017参加記録 その2 Microsoft HoloLens 編

前回に続いてTech Summit 2017 参加記録。今回はMicrosoft HoloLens 。

Microsoft HoloLens  とは 自己完結型ホログラフィックコンピュータ。この一台で PCと映像表示ができるPC。Playstation VR などのVRとの一番の違いは「視界に3Dの仮想オブジェクトを重ねて表示できる」こと。つまり現実世界の中にVRのような仮想物体を表示させることができる。と、言葉でいうと小難しいが、リンク先のデモを見ると分かりやすい。

www.microsoft.com

複合現実 = Mixed Reality = MR と呼ばれている。現実世界とつながったまま 仮想世界とつながることができる。この体験会が今回のTech Summit では体験会として実施された。発売から何度か体験会には参加したものの毎回希望者が多くて未体験だったが、今回初めて体験することになった。

体験1社目はTech Summit キーノート でもデモンストレーションで沸いた小柳建設様。以下[#mstsjp17 HoloLens ]でのキーノート中ツイートを引用。

 

 

 デモンストレーションでは「すでに現場利用している」というHoloLensとアプリだったが正直キーノート中は信じられなかったため、終了直後HoloLens 体験会の整理券を取得確認することにした。

キーノートでは小柳建設さん&Microsoft  でデモンストレーションを実施していた。これは自社開発を行ったということだ。体験会では全部で5社が参加していたが、他はすべてシステム開発会社。主業がシステム開発ではない会社は小柳建設様のみ。かつ完成度の高いソフト。ユーザ企業として、どうしてHoloLensでのアプリ開発に踏み切ったのかその理由を知りたかったのだ。

体験会は最初体験者共通のビデオで使い方の説明を確認し、そのあと各ブースを訪問する。デモンストレーションは実際に開発に携わった社員さん達によるものであった。

実際にデモと同じソフト内容を体験できたが、スケジュールごとの工程と実際の建築CGの融合が素晴らしかった。圧倒的な説得力が可視化によって伝わるのだ。またシェアリング機能で遠隔地との情報共有が楽なのがすごかった。キーノートでの橋の上での1/1体験はまるでアラジンのじゅうたんに載った気分だ。体験が終わるときには興奮のままご担当者に質問をした。

「すごいソフトですが、なぜこのソフトをつくったのですか?自社が先頭にたって。」

「建築業はずいぶん前より人手不足が続いていて、さらに弊社は新潟にあるためなかなか人手が集まらない。そのため目立つことをする、ソフトウェアで補うなどどの施策を積極的に打ち、安全に作業できるなど人を大事にすることが重要なのです。と社長がシステム化に積極的なんですよ」とにこやかに説明された。

 他の方のツイートから小柳建設さんのYoutubeにて社長インタビューを確認。実際のアプリの様子もこちらを参照していただきたい。

 人を大切にという言葉を形にしたものがこのHoloLensソフトだったということだ。ぜひ子供に小柳建設を紹介しておこうと思った(子供が建築系の学校に行っている)個人的には工程ごとの書類がすべてその場で閲覧可能なインタフェースを持っている点が気に入った。工程表と資料の連携が可視化されてディスプレイのサイズを気にせず空間のどこでも複数広げられるのが、非常に魅力的だった。遠隔地とのアバターを使った会話も楽にできるのもよかった。後、普段にないこととして目線が可視化される。これにより誰が何を気にしているのか、通常会議より明確である。正直このアプリシステム開発に使いたい!と思えた。UXが圧倒的だった。このまとめツイートがすべて。ぜひ皆さんにも体験していただきたい。

 

1日目はHoloLens体験を夕方にもう一度受けられることになった。2社目はこちら。

DMM.makeとハニカムラボさんのアプリ。バーチャルフィッティングを体験した。

上記ツイートの動画ではマネキンであるが、この部分を3Dスキャンした自分のアバターにするのが目標だとのこと。そうすると洋服を自分の体形と合わせることが可能となる。着用した場合の様子も360度確認可能。これは自分でフィッティングしてもできないことだ。こちらもUIがわかりやすかった。これがあれば、外出したり、店員さんの視線を気にせず好きなだけ試着可能だ。

正直これを靴でやってほしいと思った。実は自分の足が特殊で足形は取れても型にあう靴を探すのに大変苦労している。3Dスキャンした足情報にあわせた靴をリコメンドしてもらえたらとフィッティングを試しながら思った。

現在HoloLensは人気で予約待ちである。単体で33万円と決して安くはないがPC+モニターの価格でどこにもない体験ができるので人気が出て当たり前だと感じた。