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東京クロノスはいいぞ 

Oculus Goを最近使う暇なくしまい込んでいたが先週から充電して準備していた。それは「東京クロノス」というVRゲームをするため。そして本日無事にゲームクリアした。

東京クロノスは公式サイトでPSVR版だけ7月に発売ということもあり、公表していい内容がある程度現在制限されている。しかしゲームの良さを書き留めておきたいので、物語に触れずに書き留めておく。

東京クロノスとは

「東京クロノス」の概要は以下のTwitterモーメントを参照してほしい。

twitter.com

ゲームジャンルとしては「ビジュアルノベル」と言われるもので、参加者は1名。話が進む途中で提示される選択肢で、話の内容が変わる仕組みである。

Oculus Go版を選択した理由

昨年クラウドファンディングでこのゲームを知った際に、ビジュアルノベルでのVRゲーム、かつ複数デバイス対応だと記載があり、その中にOculus Goが含まれていることを知った。

Oculus Goは単独で動作するVRゴーグル。スピーカーも電源も一体となっているため場所を特定しない。値段も2万円台で買えるということで2018年ヒットした。Vtuberの操作などでよく使われるVRデバイスとの違いはこちらのツイートがわかりやすい。

VRカノジョを私は保有しているが、この場合PCと接続して利用する方式のデバイス、WindowsMRで操作した。私はカノジョの部屋の中を歩き回り、手を使ってモノを持つなど操作できた。寝転がってみたり。カノジョの頭を撫でてみたり。

testedquality-tech.hatenadiary.jp

一方Oculus Goは頭の前後左右上下の3方向のみに対応。別途メニュー操作用のポインターデバイスがあるが自分の胴体が移動したことを把握はできない。しかしこの制限によってNetflixなどの映画を寝転がってみても安定した動作でみることができる。

ノベルゲームは長時間続けて行うことが想定される。例えば有名なFateシリーズ初回作品「Fate/Stay nigth」だと標準プレイ時間は60時間。私は産休中ほとんど自宅にいたのだが、1か月を使ってクリアした。出産前だったので何とか時間が確保できたが、子育て&仕事に出ていたならもっと時間がかかったであろう。話を進めるための時間を確保するにもスマートフォンと違って持ち運びもできない。いや無理すれば持ち運び出来るがPC&弁当以外の荷物を増やしたくない。

  1. 少しでも自宅で手軽に遊べるOculus Go版なら進めやすい
  2. Oculus Go版だと他のデバイスに比べ制限がある。どうやってゲームにしているのか?ゲーム内容が非常に気になる。
  3. キャラクター作成が好きな方だったが本当にVR環境でこの絵が動くの?むっちゃデザイン複雑なのに。
このような3点が気になってクラウドファンディングに参加した。先週2019/3/22に無事製品は発売され、ファンドのリターンとしてゲームを受け取った。とはいってもダウンロードキーである。

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東京クロノス感想

実際に始めると、当初主人公目線での動きをすることになる。歩けないので移動をどのようにするのかとおもったら、自動で画面転換していく。はじめはVRなのに移動していく風景が見えないことが少々不満だった。しかし、よく考えたら漫画のコマ割りでの場面転換と一緒だと気づいた。これで十二分に動きを感じるのだ。

あとセリフの表示や人へのかぶせ方も極力人物の動作が見えるように工夫されている。吹き出しの視認性を保ちつつ、人物の様子がはっきり全部見える仕組みが素晴らしい。また誰のセリフか8人全員が場面にいても全く混乱しない。セリフを人物側から投げかける側へ動かす、声の流れる方向をわかるようなUIなどの細やかな表現がストーリーだけに集中させるための仕掛けになっていた。

遠くから人が駆けてくるとき、外をのぞき込むとき。CGでVRなのだからアニメーションでずっと動くかと思えば、ここもまんが的表現を使って最小限の動作とする。しかし代わりに人物たちの表情は非常に細やかである。LAMさんの美しい造形のまま叫び、うつむき、見つめてくる。瞼に揺れるまつ毛の先の震えまで表現されているのは驚愕である。Oculus Go自体はちょっとよいスマートフォンくらいの性能なのだ。既にここで「ここまで近づいてくれるのに気持ちにこたえられないんだよなあ」と主人公と同じ気持ちとなり、魔法のように私は物語の中に取り込まれていることを自覚した。

ただたまに人物が「むっちゃでかくね」と思うタイミングがある。君建物比で5メートルくらいあるぞと我に返るのだ。これは表情を見せるために実際のスケールの3.5倍にしていると、開発者さんのツイートでみかけた。そして実際に人間は目で見たいものだけ見ている便利な機能をもっているため、ゲームを続けていると大きくしているのが気にならなくなってくるのだ。人間の仕組みを利用したよいUIなことの証明であろう。

最後まで所要約20時間かかった。そして想定通り全く全く酔わなかった。VR酔いしやすい人でも一度体験してみるべきだ。非常に考慮された仕組みになっている。

また話の内容としては異世界ものではあるがオーソドックスなSFだと思う。あと倫理観が現代日本なので各登場人物を好きになれる。ぜひ体験をしてほしい。できればOculus Goで。